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特定技能「造船・舶用工業」の概要

最終記事更新:令和6年5月28日

執筆(文責):行政書士 野村 篤司

特定技能「造船・舶用工業」分野の概要について

1.特定技能「造船・舶用工業」分野の受入予定人数について

造船・舶用工業分野における令和6年度からの向こう5年間の受入れ見込数は、最大で3万 6,000 人であり、これを令和 10年度末までの5年間の受入れの上限として運用するとされました。

 

令和10年度以降は本記事執筆現在では不明ですが、この人数に近づいた場合は、在留資格認定証明書の交付の停止等の措置が講じられる可能性がありますので、受け入れ予定の事業者様は早めに申請するように注意しましょう。

2.造船・舶用工業分野の特定技能外国人が従事することが出来る業務内容について

<1号特定技能外国人>

特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能外国人が従事することができる業務は以下のとおりです。令和6年3月29日閣議決定により、3業務区分(造船・舶用機械・舶用電気電子機器)に再編されました。

 

なお、国土交通省は、当該特定技能外国人が従事する業務が、造船・舶用工業分野に属する技能を要する業務であることの「確認」を行います。国土交通省が確認を行った後、「確認通知書」が受け入れ機関に交付され、当該通知書の写しを地方出入国在留管理局に在留資格申請書類等と併せて提出する必要があります。

 

試験区分と業務区分(特定技能1号_造船)
試験区分と業務区分(特定技能1号_造船)

 

<2号特定技能外国人>

試験区分と業務区分(特定技能2号_造船)
試験区分と業務区分(特定技能2号_造船)

3.特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能外国人が従事できる関連業務とは

上述した業務に加えて、これらの業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:読図作業、作業工程管理、検査(外観、寸法、材質、強度、非破壊、耐圧気密等)、機器・装置・工具の保守管理、機器・装置・運搬機の運転、資材の材料管理・配置、部品・製品の養生、足場の組立て・解体、廃材処理、梱包・出荷、資材・部品・製品の運搬、入出渠、清掃)に付随的に従事することは差し支えありません。ただし、関連業務のみに従事させることは認められません。これは、2号特定技能外国人であっても同様です。

 

4.特定技能「造船・舶用工業」分野における外国人本人の日本語能力等について

「日本語能力判定テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格することが必要です。
これらの試験に合格した者は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する者と認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有する者と評価されます。

 

5.特定技能「造船・舶用工業」分野の技能評価試験の実施状況について

特定技能「造船・舶用工業」分野での特定技能1号技能評価試験は、一般在団法人日本海事協会が主体となり日本語を用いて行われ、学科試験および実技試験が行われます。その他詳細は「一般在団法人日本海事協会」の該当ページでご確認ください。また、「技能検定3級」の試験は、各都道府県が主体となり、学科試験および実技試験が行われます。

 

7.特定技能「造船・舶用工業」分野の所属機関に求められる要件について

特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能外国人が所属する機関には、以下のことが求められます。

 

①特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
②特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
③特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
④特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記①、②及び③の条件を全て満たす登録支援機関に委託すること。
⑤特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること。

 

なお、「造船法(昭和25年法律第129号)第6条第1項の事業を営む者、小型船造船業法(昭和41年法律第119号)第2条第1項に規定する小型船造船業を営む者その他の造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であること。」であることも必要です。

 

8.特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能協議会の加入要件

特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能協議会に加入する所属機関は、以下の事項について必要な協力を行わなければなりません。

①    特定技能外国人の受入れに係る状況の全体的な把握
②    問題発生時の対応
③    法令順守の啓発
④    特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援
⑤    就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析

 

9.特定技能「造船・舶用工業」分野の特定技能2号での受入れについて

特定技能「造船・舶用工業」分野での特定技能2号は、制度開始当初は「溶接」の1業種のみでしたが、令和6年3月28日閣議決定を機に、「全3区分」にて特定技能2号が認められることとなっています。

 

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