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特定技能「介護」の概要
最終更新:令和5年6月20日
特定技能「介護」分野の概要について
1.特定技能「介護」分野の受入予定人数について
特定技能「介護」分野においては、向こう5年間で300,000人程度の人手不足が見込まれており、特定技能外国人の受入れは今後5年間の最大値で60,000人を予定しています。これは、特定技能の対象となっている12分野(※令和4年8月30日閣議決定以後)の中で最も多い人数となっています。それほど、介護分野での人手不足がより深刻ということでしょう。
なお、『しかしながら、その後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による大きな経済情勢の変化を踏まえ、2023年度末までは、当面、受入れ見込数を最大5万900人とし、これを受入れの上限として運用する。』とわずかに修正されています。
2024年度以降の予定人数については本記事執筆時点において不明ではありますが、高齢者数の増加は2040年頃までは明確に増えていくことから、今後も横ばいまたは増加になる見込みです。
この「予定人数」に近づいた場合は、在留資格認定証明書の交付の停止等の措置が講じられる可能性がありますので、受け入れ予定の事業者様は早めに申請するように注意しましょう。
2.特定技能「介護」分野の特定技能外国人が従事することが出来る業務内容について
特定技能「介護」分野の特定技能外国人が従事できる業務内容は、身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随するレクリエーションの実施、機能訓練の補助等の支援業務とされています。また、1号特定技能外国人の就業場所は、技能実習同様、「介護」業務の実施が一般的に想定される範囲、具体的には介護福祉士国家試験の受験資格要件において「介護」の実務経験として認められる施設とする、とされています。なお、訪問介護等の訪問系サービスは対象外となるため、注意が必要です。
3.特定技能「介護」分野の特定技能外国人が従事できる「関連業務」について
特定技能「介護」分野では、上記の業務内容のほか、関連業務として、身体介護、またはこれに付随する支援業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。例えば、物品の補充、お知らせ等の掲示物の管理等がこれに該当します。
4.特定技能「介護」分野における外国人本人の日本語能力等について
特定技能「介護」分野において特定技能1号の在留資格が認められるためには、「日本語能力試験」と「介護日本語評価試験」の両方の試験に合格することが必要です。合格した者については、ある程度日常会話はでき、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められます。具体的には、次の通りです。
【日本語能力試験】
①国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験(N4以上)に合格すること。
②介護日本語評価試験
(介護の現場で業務に携わるうえで支障のない程度の介護用語などを使える日本語能力が求められます。)
※このように2つの日本語試験があるのは、特定技能「介護」分野のみとなっており注意点の1つです。
5.特定技能「介護」分野の特定技能外国人が有すべき「技能水準」について
特定技能「介護」分野において技能水準は、以下の4つの達成ルートがあります。
①介護技能評価試験に合格した者(試験合格ルート)。
②「介護職種・介護作業」での第2号技能実習を良好に修了した者(技能実習移行ルート)については、介護業務で必要とされる一定の専門性・技能を有し、即戦力となるに足りる相当程度の知識または経験を有するものと評価し、また、介護現場で介護業務に従事するうえで支障のない程度の日本語能力も有すると評価し、日本語能力試験および技能評価試験を免除されます。
③EPA介護福祉士候補者(EPA移行ルート)として4年間、就労・研修に適切に従事した者(※)については、「特定技能1号」への移行にあたり、技能試験および日本語試験が免除されます。
(※適切に従事した者とは、直近の介護福祉士国家試験の結果通知書により、①合格基準点の5割以上の得点であること。②すべての試験科目て得点があること。について、出入国在留管理局において確認することとなっています。)
④介護福祉士養成施設を修了した者(養成施設修了ルート)は、留学にあたり、日本語教育機関で6ヶ月以上の日本語の教育を受けたこと等が求められることに加え、入学後の2年以上の養成課程において450時間の介護実習のカリキュラムの修了が求められ、介護分野において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有する者と認められることから、日本語能力試験および介護日本語評価試験、技能評価試験の合格と同等以上の水準を有する者と認められます。
参考:厚生労働省HP (技能試験・日本語試験免除対象者 具体的な要件について)
6.特定技能「介護」分野の技能評価試験の実施状況について
特定技能「介護」分野の技能評価試験は、介護業務の基盤となる能力や考え方に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できるレベルであることを認定するものです。試験の開催国としては日本・フィリピン・インドネシア・ネパール・カンボジア・モンゴル・ミャンマーが予定されています。試験言語は、現地語が用いられます。開催頻度ですが、毎月行われており、日程は多いと言えるでしょう(参考:厚生労働省HP)。介護技能評価試験と介護日本語評価試験に対応した学習テキストが上記の厚生労働省のHPに掲載されていますので、参考にしてください。
7.特定技能「介護」分野の所属機関に求められる要件について
特定技能「介護」分野の所属機関(=特定技能外国人を雇入れる会社のこと)の要件として、次のようなものがあげられます。
(1)特定技能外国人の適正な受入れ、および保護のため、厚生労働省が組織する介護分野における特定技能協議会に加入し、以下の事項について必要な協力を行う義務がある。
① 特定技能外国人の受入れに係る状況の全体的な把握
② 問題発生時の対応
③ 法令遵守の啓発
④ 特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援
⑤ 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の 把握・分析等
(2)厚生労働省またはその委託を受けた者が行う調査、または指導に対し、必要な協力を行う義務がある。
(3)事業所単位での受入れ人数枠を設定しなければならない。そして、その受入れ人数枠は事業所単位で、日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこと。この『日本人等』には、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」により在留する外国人、永住者や日本人の配偶者等などの身分・地位に基づく在留資格により在留する外国人も含みます。
8.介護分野の特定技能「2号」での受入れについて
特定技能「介護」分野では、特定技能「2号」での受け入れは認められていません。令和5年6月9日の閣議決定においても除外されており、「特定技能1号」の期間満了後は、在留資格「介護」を検討すべきこととなります。
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